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スローフード運動
 
 1989年にイタリアの小さな町で起こった「スローフード」運動。アメリカから世界に広まっていったハンバーガーなどの「ファーストフード」に対する反発から、伝統的な食文化を守りながら食事をゆったりと楽しむことを呼びかけた人々によって広まりました。イタリアはもともと食事にはたっぷりと時間をかけるお国柄。アメリカ流の忙しい食事に対する反発が出てきたのは当然といえば当然のことでしょうか。やがてその運動は世界中に広まり日本においても浸透してゆきました。

日本においてのスローフード運動
 
 日本でも2000年ごろから各地にスローフード協会の支部が作られるようになりました。その運動内容とは
 
  • 食の均質化のなかで、消えかかっているすぐれた品種や伝統的な漁法・加工法を発見し、守っていくこと。
  • 質の高い素材を提供してくれる小生産者を守ること
  • 子供たちを含めた消費者全体に、味覚の教育を行うことに目を向けていくこと


 

 ファストフードやコンビニフードなどの現代の便利さ一辺倒の食は、各家庭や各地方の個性がなくなり均一化するという危険をはらんでいます。そんな現代の食生活に警鐘を鳴らすことから始まったのが、スローフードという考え方です。自然や家族たちと過ごす時間を大切にして、食材や味の多様性を楽しんでゆこうという人たちは着実に増えてきています。それは私たちが忙しさにまぎれて大事なものを置き去りにしてきた事への反省でもあります。

 

 食育の運動とも通じることですが、食生活は人が生活してゆく基本です。 朝食をとってこない子供は一般的に落ち着きがなく、そんな子供が増えれば学校は成り立ってゆきません。

 市販のお弁当や出来合いのお惣菜は便利ですが、調理してくれた人や、食材を提供してくれた人の顔が見えないという難点があります。また家庭で子供がひとりで食事をする「孤食」も問題です。できるだけ家族みんなで食事をする時間をつくることで「家庭内暴力」 なども防げるのではないでしょうか。

 「食事」には材料の買い物や調理も含まれます。この野菜は地元で取れたものかとか、お店に並んでいる品物の鮮度を見極めたりとか、調理のときにも何分ゆでたりとかこれらは全て将来子どもが生きてゆくうえで絶対に必要となる知識です。

 特定の食べものがスローフードの定義ではありません。ファストフードやコンビニ食品が悪いというのではなく、安易に手に入るものをただ胃に流し込むのをやめて、食べることや、食べものをつくることについて考え、楽しみながら食べようというのが「スローフード」の運動です。

 

 最近はスローフード協会活動の中でも、有機農法や化学肥料等をなるべく減らした減農薬による農法に積極的に取り組む農家を支援したり、「地産地消」を後押ししたりといった活動の比重が高くなっているようです